特急「しなの」に新型車両が投入されます。385系量産先行車の新製
▼JR東海は、特急「しなの」に使用している383系振子式車両の後継車両の新製することを、7月20日に発表しました。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042834.pdf
▼特急「しなの」は主に名古屋・長野間で運転される特急列車で、振子式車両である383系を運用しています。
▼特急「しなの」が運転される中央西線はカーブが多く、スピードを落として走行する箇所が多いため、所要時間が長くなりがちです。また、カーブでは遠心力が働くため、乗り心地が悪くなりがちです。
▼そこで、振子制御技術の採用により、車体を傾斜させることで、カーブでもスピードを落とさずに走り、遠心力を緩和することができるようになります。
▼現在、383系は国内最速でカーブを走行することができます。383系は1995年から運用が始まり、現在、名古屋・長野間で1日13往復が運転されています。
▼383系の後継車両として、次世代振子制御技術を採用した385系の量産先行車を導入することが今回発表されました。
▼385系では、車上のジャイロセンサにより、車両とカーブの位置関係を常時監視し、カーブ開始位置を正確に検知することで、乗り心地がこれまでより向上します。(乗り心地評価指標が383系に比較して約15%改善)
▼さらに、車両の揺れが改善され、カーブ通過時の乗り心地もより向上するとのことです。
▼また、安全性の向上として、HC85系と同様に、車両機器の稼働状況や故障状況等を遠隔で常時監視する状態監視システム(DIANA)や、車内防犯カメラ等の安全設備を導入するそうです。
▼315系と車体長・ドア位置を統一させ、開口幅の狭いホーム可動柵を採用できるようになり、低コストでホームドアを設置することができます。
▼エクステリアとしては、「アルプスを翔ける爽風」をテーマに、前面展望が楽しめる先頭車両とします。
▼量産先行車は1編成・8両を2026年度に新製し、走行試験を約1年間実施し、その後量産車は2029年度頃を目標に導入する検討を進めているとのことです。
▼JR東海では、HC85系に引き続いて、特急車両の更新が積極的に続きます。
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コメント
関西-長野のメインルートは、
北陸新幹線開業で金沢経由に移行した、
というような話も漏れ聞こえますが、
しなのを存続させるからには
そろそろ車両を更新せざるを得ない、
といったところでしょうか。
需要のあまり多くない低規格路線では、
抜本的な曲線改良は望むべくもなく、
改良されたとはいえ、
まだまだ乗り心地面で課題の多い振子車に
引続き頼らざるを得ないのが
悩ましいところです。
投稿: るーと | 2023年7月22日 (土) 09時41分
2016年3月のダイヤ改正で大阪から直通の
「しなの」は廃止されました。
その時点で、関西から長野への直通列車の
ニーズはないように思われます。
関西から長野へはやはり新幹線経由で
プラス在来線特急というパターンでしょうね。
JR東海にとっては、中京圏からの
乗客サービスを重視しているので、
今回の車両更新もその一環でしょう。
投稿: kumoha313 | 2023年7月22日 (土) 12時48分