▼北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業の2024年春をめざして急ピッチで工事が進められています。金沢から敦賀までの125kmは、現在独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設主体となって工事を行っています。

▼2024年春の開業後はJR西日本が運営することになります。JR西日本では、2023年2月28日付で、国土交通大臣に鉄道事業法第28条の2に基づき、北陸線(金沢・敦賀間)の廃止届書を提出しました。
▼北陸線は、米原・金沢間を結ぶ、全長176.6kmの路線で、JR西日本が1982年4月に日本国有鉄道から第1種鉄道事業を承継し運営してきました。しかし、金沢・敦賀間は北陸新幹線の開業に伴い、JR西日本から経営を分離することから、今回の廃止届書の提出となりました。
▼そこで、注目されるのが、現在、大阪・金沢間、名古屋・金沢間で運行されている特急「サンダーバード」及び「しらさぎ」の動向です。この区間の特急に運用されている車両は681系、683系の2形式です。
▼681系は1995年に量産型がデビューし、102両が製造されました。
681系非貫通型先頭車@金沢駅
▼681系は特急「雷鳥」及び「スーパー雷鳥」に運用されている485系の置き換え車両として開発され、踏切のある区間での130kmの営業運転、さらに踏切のない湖西線、北陸トンネル内での160km運転にも対応できる性能を持ちます。
▼また、683系は、2001年から2011年に270両が製造された681系の増備車として登場しました。
683系貫通型先頭車@大阪駅
▼先頭車両の形状には681系同様、貫通構造と非貫通構造の2種類が存在しますが、多客時の増結や多線への転用を考慮した結果、貫通型の先頭車が増加しています。
▼現在、681系が主に「しらさぎ」、683系が「サンダーバード」で運用されています
681系「しらさぎ」@米原駅
▼2024年春に北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸されると、681系、683系で運用されている特急「サンダーバード」及び「しらさぎ」はどうなるのでしょうか。
▼当然、金沢・敦賀間は北陸新幹線が運転されるので、敦賀・大阪間、敦賀・名古屋間での特急運転に短縮されることになります。そうすると、現在運用されている681系、683系には余剰が生じることが考えられます。
▼その予兆として、683系の一部が金沢総合運転所の所属を離れ、2023年春のダイヤ改正に合わせて、吹田総合車両運転所に転属となりました。
▼かつて、北陸新幹線の金沢までの延伸により、余剰となった683系が特急「こうのとり」及び「くろしお」などへ転用され、これまでの交直流両用車両から直流専用車に改造されました。
289系「こうのとり」@新大阪駅
▼2024年春の北陸新幹線の敦賀までの延伸により、交直流流用車両は必要がなくなるため、余剰とならない車両でも直流専用車への改造が行われる可能性もあります。
▼北陸新幹線の敦賀延伸で、681系及び683系がどうなるのか、その動向が今後注目されます。また、在来線特急の運転区間短縮でどのようなダイヤ改正になるのか、こうした点も目が離せません。

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