岐阜羽島駅の誕生にはいろいろな秘密があったんですね。
▼日曜日に、新幹線の岐阜羽島駅に行ってきました。
▼現在、1時間にこだまとひかりが1本ずつ停車しています。
▼この駅は、岐阜県羽島市福寿町平方にあります。名鉄羽島線の新羽島駅が接続しています。また、近くには名神高速道路の岐阜羽島インターチェンジがあります。
▼岐阜羽島駅は、岐阜県にありますが、県庁所在地の岐阜市にあるわけでもなく、辺鄙なところにあります。新幹線の開業当時は周りは田んぼだけしかない駅でした。
▼この駅は、有力な政治家が誘致したとして、政治駅の代名詞となりました。しかし、本当はその評判をよく調べてみるとちょっと違うようでもあります。
▼当初、京都から名古屋までは旧東海道ルートを通す計画でした。しかし、このルートでは、1000メートル級の鈴鹿山脈が行く手を阻み、技術的障害、建設費用の問題、北陸方面との連絡、東京オリンピックまでに間に合わせるという工期の問題などがありました。
▼そこで、これらの問題は少しでも解決できる案として、旧中山道を通すルートが計画されました。このルートでは、北陸方面との連絡が便利で、トンネルが比較的少なくて済むことなどが評価されました。
▼当時の国鉄としては、このルートを通すにあたり、岐阜県内に駅を設置する必要性については認識していました。しかし、できるだけ、直線で通したかったのです。北寄りの岐阜市や大垣市を通すと、名古屋まで時間がかかり、建設費も増加するからです。
▼岐阜県内に駅を設置することが判明すると、地元では各市で誘致運動が起こりまとまりませんでした。そこで、地元の有力政治家であった大野伴睦に県内の意見をまとめるように斡旋を依頼しました。
▼国鉄は、県内に駅を設置することは伏せて、大野伴睦の顔を立てて、岐阜県内に駅をつくるのならまとまらない意見を集約すると言わせて、岐阜羽島に駅を設置する妥協案を提示する筋書きを用意していました。
▼のちに大野伴睦は国家的プロジェクトである新幹線の建設に地元の利害を優先させるよう圧力をかけることはできないと述べています。
▼もう一つは、なぜ岐阜羽島駅が中間駅にしては不釣り合いな規模の駅施設を保有しているかについてです。
▼岐阜羽島駅は、2面4線のホームを保有し、真ん中には本線が2線敷かれています。上りが0番線、1番線、下りが2番線、3番線となっていますが、普段は1番線と2番線が使用されます。なぜこれほど規模が大きな駅なのか。
▼それは、旧中山道を通すことが理由になっています。旧中山道は豪雪地帯の関ヶ原を通過するため、除雪車を待機させる設備が必要だったからです。大垣市内では、市街地が近く、規模の大きな駅を設置する用地が確保できなかったのです。そういう意味でも、岐阜羽島は駅をつくるにはぴったりな場所だったのです。
▼政治駅の代名詞のように言われている岐阜羽島駅ですが、詳しく見ていくと、この場所に駅を設置する条件が色々揃っていたことがわかります。中間駅にしては不釣り合いな規模も納得されます。
▼最後に岐阜羽島駅誕生の秘密について、動画にまとめましたのでご覧ください。
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コメント
いま、改めてこうしてみると
最初から本命は現在のルートで、
鈴鹿越えは岐阜市や大垣市の中心部を通らないことを
岐阜県民に納得させるための当て馬としか…(^^;。
投稿: るーと | 2022年7月20日 (水) 19時34分
当時の国鉄もなかなか策士ですね。
岐阜県内に駅を設置するとしても、
地元では意見がまとまらないのを
見通して、政治家を使って
筋書きを用意していたとは。
投稿: kumoha313 | 2022年7月21日 (木) 18時37分