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2021年11月

コロナ禍における2つの取組み 「ワーケーショントレイン」「定期券呈示割引サービス」【近畿日本鉄道】

▼コロナ禍にあって、鉄道各社は厳しい状況下に置かれています。その中で、近畿日本鉄道では2つの試みを行うこととしています。

▼1つ目は、団体専用列車「楽」による「ワーケーショントレイン」体験プランの発売です。近鉄と近鉄不動産及び近鉄・都ホテルズでは、ウィズコロナを見据えて、新たな働き方の創出を目指して、新しいライフスタイル・ワークスタイルのあり方について検討を進めています。

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/rakuwakeshonn.pdf

▼昨年10月から近鉄不動産では「近鉄・伊勢志摩ワーケーション」として、複数の企業に試験的に施設を利用してもらい、ニーズや課題を収集してきました。その中で、「移動時間の有効活用」について要望が高かったので、11月26日(金)に団体専用列車「楽」を使った「ワーケーショントレイン」を運行する運びとなりました。

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▼ワーケーション環境を整備した「都リゾート 奥志摩 アクアフォレスト」などの施設の宿泊をセットにした体験プランを発売し、実際にワーケーショントレインを体験してもらい、併せて希望者は1泊するというものです。

▼「楽」は大阪上本町を9時42分に発車し、途中、鶴橋、大和八木、名張に停車し、12時51分に賢島に到着します。Aコースはそのまま賢島に到着後解散。Bコースは奥志摩アクアフォレストや都リゾートしまベイサイドテラスなどに宿泊し、ホテルなどのフリースペースでのワーケーション体験をすることができます。

▼宿泊プランでは、「しまの冬の食と鉄道の旅応援事業対象商品」のため、大人1人8,000円が割引となります。

▼もう1つの取組みは、定期券の呈示で近鉄グループの施設で様々な特典が受けられるという「近鉄電車 定期券でおトク!」サービスの実施です。

https://www.kintetsu.co.jp/all_info/news_info/service_211104.pdf

▼このキャンペーンは、11月6日(土)から来年3月31日(木)までの間、近鉄の定期券を呈示すると月替わりで近鉄グループの対象施設で割引等のサービスを受けることができます。

▼たとえば、11月は生駒ケーブルの乗車運賃の無料、12月は近鉄百貨店の対象飲食店での割引やワンドリンクサービスなど、1月は近鉄・都ホテルズの対象レストランの10%割引、2月はハルカス300展望台の入館料の割引、3月は志摩スペイン村の1日パスポートの半額割引などが行われます。

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▼これは新型コロナウイルス感染症の影響で、厳しい経営環境が続いている中ではありますが、緊急事態宣言が解除されたため、2022年3月期第2四半期決算では、前年同期比では運輸、不動産、ホテル・レジャー部門では増収となっています。

https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/common-hd/data/pdf/211112-setsumei20211112152216366981485.pdf

▼しかしながら、個別事業を見ていくと、鉄道事業では、旅客収入のうち定期外収入では前年同期比では13.9%の増となっていますが、定期収入は3.0%の増にとどまっており、依然定期利用客の戻りが少なくなっています。

▼また、百貨店やストア・飲食などの流通部門では、営業収益が前年同期比で36,4%の減という厳しい状況が続いており、鉄道事業のうち定期利用客の掘り起こしと、流通部門の利用促進をもくろむために、今回のキャンペーン事業が実施されることになったものと思われます。

▼コロナ禍において、一番打撃を受けた鉄道事業及び流通事業の回復は遅れており、近鉄グループにおいては、ウィズコロナも見据えて、需要喚起を図る様々な取組みを進めているようです。

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