南海電鉄の「普通」と「各駅停車」の秘密。
▼列車種別には、主要駅に停車する優等列車ではなく、各駅に停車する「普通列車」があります。しかし、鉄道会社によっては「各駅停車」という列車種別もあります。
▼「普通列車」と「各駅停車」。この2種類の列車種別の違いについて考えてみたいと思います。
▼関西で、この2種類の列車種別を使っている私鉄があります。それは南海電気鉄道です。では、南海ではこの2種類の列車種別をどう使い分けているのか調べてみたいと思います。
▼南海には大きく2つの路線があります。南海線と高野線の2つです。なんばから天下茶屋までは、2つの路線が複々線で走っています。
▼南海線のなんば・天下茶屋間の駅は新今宮のみです。
▼それに対して高野線では、今宮戎、新今宮、萩ノ茶屋の3つの駅があります。
▼南海線のなんば発の時刻表を見てみると、和歌山市・関西空港方面行きの列車では各駅に停車する列車は、「普通」と表記されています。なんばから天下茶屋までの停車駅は新今宮のみです。
▼一方、高野線のなんば発の時刻表を見てみると、高野山方面行きの列車では各駅に停車する列車は、「各停」と表記されています。なんばから天下茶屋までの停車駅は今宮戎、新今宮、萩ノ茶屋の3つです。
▼このように、南海では、南海線の各駅に停車する列車は「普通」、高野線の各駅に停車する列車は「各停」と区別されています。停車駅も南海線は高野線よりも少なくなっています。
▼複々線の東側2線には今宮戎、萩ノ茶屋のホームがありますが、西側2線にはこの2つのホームはありません。つまり、西側2線を走る各駅に停車する列車は今宮戎、萩ノ茶屋は通過し、厳密には各駅停車ではないため「普通」とし、東側2線を走る各駅に停車する列車は文字どおり各駅に停車するため「各停」となっています。
▼以前には、東側2線を走るものの今宮戎、萩ノ茶屋は通過する高野線の普通も存在したので、「普通」と「各停」の区別が生まれたものと思われます。
▼阪急電鉄のように、梅田から十三までの間、神戸線、宝塚線には中津駅にホームがあり、京都線にはホームがありません。しかし、神戸線、宝塚と同様、中津に停車しない京都線も各駅に停車する列車は、「普通」としており、種別の区別はありません。
▼今回は、注意していないと気が付かない、「普通」と「各停」の面白い区別について触れてみました。
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コメント
複々線の多いJR東はどうなってるか
同社HPの駅時刻表で調べてみました。
いわゆる中電は、
東海道線、横須賀線などは「普通」、
総武線快速、中央線快速など路線名に
「快速」が入る路線は快速表記でした。
ややこしいのは常磐線快速で、基本は
「快速」表記ですが、取手以北に行く
電車は「普通」表記でした。
一方の旧国電は、駅時刻票の表記は
すべて「普通」表記でしたが、
中央線各駅停車、総武線各駅停車、
常磐線各駅停車は路線名に「各駅停車」が
入ってました。
いわゆる”〇〇緩行線”ですね(^^)。
投稿: るーと | 2021年8月14日 (土) 23時37分
なかなか面白いですね。
複々線の多いJR西日本東日本での
事例は興味深いです。
いわゆる通勤線あるいは
緩行線は「各駅停車」、
近中距離の列車は「普通」となっている
ようですね。
常磐線は複雑な標記ですね。
通勤と近中距離列車が
合わさった列車だと、「普通」が
優先されるのですね。
投稿: kumoha313 | 2021年8月15日 (日) 02時39分
高野線の各停は難波から三日市町までですが一部は泉北高速鉄道線の和泉中央が始発もあります、南海線の普通は難波から和歌山市までですが一部は空港線の関西空港発もあります。
投稿: 巽孝一郎 | 2021年10月26日 (火) 15時28分