鉄道車両形式(車番)の秘密。
▼鉄道各社の車両形式については、各社とも考え方がいろいろあり、様々な方式があり、なかなか興味深いものがあります。一番有名で、代表的なものが国鉄及びJRの車番でしょうか。もっとも、国鉄が民営化してJR各社になっているので、国鉄時代の車番からの変更は多々あります。
▼上のJR奈良線の103系の車番は次のとおりです。クハ103ー185。これはどういう意味でしょうか。
▼蒸気機関車や電気機関車などは除いて、国鉄以降の新性能電車の主な車両形式についてみてみると次のとおりです。
「クモ」 → 制御電動車(Mc)
「モ」 → 電動車(M)
「ク」 → 制御車(Tc)
「サ」 → 付随車(T)
「ロ」 → グリーン車(s)
「ハ」 → 普通車
「ヤ」 → 職用車(z)
「エ」 → 救援車(h)
「ル」 → 配給車(a)
▼形式数字は百の位、十の位、一の位でそれぞれの意味を持ちます。まずは、百位についてみてみましょう。
《百位》
1 → 直流・抵抗制御
2 → 直流・電機子チョッパ制御、VVVFインバータ制御等
3 → 直流・アルミ合金製車両等
4 → 交直両用・抵抗制御、電機子チョッパ制御等
5 → 交直両用・特殊用途
6 → 交直両用・VVVFインバータ制御
7 → 交流・抵抗制御、電機子チョッパ制御、サイリスタ位相制御等
8 → 特殊用途
▼続いては、十位についてみてみましょう。十位についてはJR以降かなり各社で変動があります。
《十位》 ※主に国鉄時代
0 → 近距離用・通勤形
1 → 近距離用・近郊形
2 → 近距離用・近郊形
3 → 近距離用・設定なし
4 → 事業用・非旅客(荷物車・郵便車)用
5・6・7 → 遠距離用・急行形
8 → 遠距離用・特急形
9 → 試験車
▼最後に、一位についてみてみましょう。これについても、例外は多少あるようです。
《一位》
(電動車)
奇数 → MM‘ユニット方式・主制御装置搭載車(M)
奇数 → 1M方式
偶数 → MM‘ユニット方式(M’)
(制御車)
奇数 → どちら向きにも使用可(東海道線・東京方:奇数、神戸方:偶数)
奇数 → 付随車
▼北陸線の特急サンダーバードの683系の例は次のとおりです。クモハ683ー5510。
ク=制御車、モ=電動車、ハ=普通車、6=交直両用・VVVFインバータ制御、8=遠距離用・特急形、3=MM’ユニット方式・主制御装置搭載車、5510=車両番号 ということになります。
▼ちなみに、前に紹介した103系の意味は次のとおりです。
ク=制御車、ハ=普通車、1=直流、0=近距離・通勤形、3=制御車、185=車両番号 ということになります。
▼国鉄民営化後のJR各社については割合理解は簡単です。しかし、難解な車番の付け方をしている鉄道会社もあります。次回はそれについてみていきましょう。
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コメント
30数年前の分割民営化時点で
急行という列車種別がすでに事実上
消滅していたのを受けて、
JR東では50番台以上を特急用として用いていますが、
昭和34年の改番直後に戻ったみたいで
なんかなつかしいです。
投稿: るーと | 2021年7月11日 (日) 09時41分
だんだん番号が枯渇するからかも。
私鉄では、廃番になった番号を
再度使用したりしてますね。
投稿: kumoha313 | 2021年7月11日 (日) 11時26分