近畿日本鉄道車両形式(車番)の秘密。
▼車両形式の振り方が難しく、例外が多いのが近畿日本鉄道です。今回はそれをみていきましょう。
3122F(3220系)と3107F(3200系)の並び@大和西大寺駅
▼まず記号ですが、カタカナ1~2文字で車種と構造を表します。
《車種》
モ = 制御電動車(Mc)・電動車(M)
ク = 制御車(Tc)
サ = 付随車(T)
コ = ケーブルカー
《車両構造》
記号なし = 客車
ワ = 荷物車その他事業用車
ト = 無蓋電動貨車
▼数字の万の位は次のとおりです。
2以上 = 特急車・団体専用車(特殊)
15 = 団体専用車
1 = 特急車・団体専用車(一般)
▼数字の千の位は次のとおりです。
1、2 =大阪・名古屋線(奈良・京都線もあり)
3 = 京都線(京都市営地下鉄直通用)
5 = 標準軌急行用クロスシート車
6 = 南大阪線
7 = けいはんな線
8、9 = 奈良・京都線(大阪・名古屋線もあり)
▼数字の百の位は次のとおりです。
・000、200、400、600、800 = 系列番号(基本的)、電動車(M)
・系列番号+100 = 制御車・幹線用
・系列番号-100 = 制御車・支線用
・前系列番号+200 = 大規模な変更のあった新系列
・8 = 伊賀線
・6 = 養老線
・2 = 特殊狭軌線(内部・八王子線)
▼数字の十の位は次のとおりです。
・前系列番号+10 = 中規模な変更のあった新系列
・系列番号+50 = 増結用車両、1M方式の中間電動車、付随車
・××20 = シリーズ21
・××51 = シリーズ21(大阪線投入車)
▼数字の一の位は次のとおりです。
・0 = 系列番号・形式番号
・1 = 製造番号
・1~9 = 小規模な変更のあった新系列
・MM‘ユニットで製造された電動車は先頭車・中間車のペアでも連続して附番
▼冒頭の3220系と3200系の並びですが、3122は、千の位が3=京都線(京都市営地下鉄直通用)、百の位が1=制御車(Tc)、十の位が20=シリーズ21、一の位が2=製造番号ということになります。
▼3107は、千の位が3=京都線(京都市営地下鉄直通用)、百の位が1=制御車(Tc)、十の位が0=系列番号、一の位が7=製造番号ということになります。
▼これ基本的な車両形式に付与される数字ですが、あくまで原則的なもので、その後の変遷で車両改造や組成変更がなされたりしており、例外がたくさんあり、なかなか一筋縄ではいかないようです。
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コメント
車両数が膨大で車番管理という概念を放棄した旧国鉄とは異なり、
民鉄は基本的に車番(ID)という意識が強いので、
相対的に付番ルールには旧国鉄ほどこだわっていないという印象があります。
うろ覚えですが、サニーカーをスナックの連番にしようとしたら、
運輸省から指導を受けて別形式にした、という話を
雑誌か何かで読んだような気がします。
ま、旧国鉄なら同じ形式で番台区分、という感じでしょうから、
連番にしたくなるのもわからなくはありませんが。
投稿: るーと | 2021年7月11日 (日) 09時56分
本当に車番は奥が深いです。
規則とおりでなく、例外が多くあるので、
そこが面白いところです。
車番の付し方ひとつで
国が指導するのもなかなか
官僚的ですね。
投稿: kumoha313 | 2021年7月11日 (日) 11時32分