▼名鉄の空港アクセス特急「ミュースカイ」に乗車して、中部国際空港(セントレア)に向かいました。2000系も撮りたかったのですが、ご存知のとおり中部国際空港のミュースカイ専用ホームはホームドアが設置されていて、車両の撮影は困難です。
▼ホームドアと言ってもこの駅のドアは前面が覆われていて、全く撮影に不向きです。
▼2000系を撮影しようとすれば、名古屋駅とか神宮前とかがいいのでしょうか。
▼それはともかく、久しぶりのセントレアです。鉄道駅から空港へのアクセスは人に優しい作りになっていてスムーズに移動が可能です。階層移動のない旅客ターミナルビルはバリアフリーの進んだ最先端のユニバーサルデザインとなっています。
▼セントレアの運営母体の正式名称は「中部国際空港株式会社」。設立は1998年5月。資本金836億6,800万円。主要な株主は国、地元自治体、民間企業及び団体の合計1,071名から構成されています。従業員数は218名(2014年3月末現在)。グループ会社を入れると866名の従業員数となります。
▼開港は2005年2月。旅客ターミナルビルの年間取扱能力は1,700万人。スポット数は70。運用は24時間が可能。滑走路は3,500mが1本。2013年実績で年間離発着回数が9万回、年間航空旅客数が987万人にのぼります。
▼中部国際空港(株)は法制上は「中部国際空港の設置及び管理に関する法律」(中部法)により指定された株式会社として、その運用を任されています。セントレアは成田空港、羽田空港、関西空港と同様、国が強く関与する「国際拠点空港」として位置づけられ、政府による株式の引き受け、債務保証、無利子融資などが行われ、税制上の特別措置も配慮されています。
▼株主構成をみてみると、国が40%、地方自治体(愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市)が10%、あとの50%を民間が引き受け、地元のトヨタ自動車、中部電力、JR東海、三菱東京UFJ銀行、名古屋鉄道などが名をあげて、中部の経済界が一丸となって支援をしています。
▼民活空港の先駆けとしては関西空港がありますが、セントレアと同時に海上空港であり、建設に多額の費用がかかったため、膨大な借金を抱えています。セントレアでは関空を教訓として、コストカットを図り、政府からの赤字補てんの補給金もなく、健全な経営に努めています。これは、世界的な規模で展開し、健全経営で知られているトヨタ自動車などの強力な支援を受けていることも、大きい要因であると思われます。
▼訪れた1月3日の午後は離発着する航空機も少なく、撮影にはちょっとというコンディションでした。特に国際線は時差との関係もあるのかもしれませんが、ほとんどその機影を見ることはできませんでした。
▼こんな状況で大丈夫なんだろうか。と心配になってセントレアの決算説明資料を見てみると、意外な数字が現れてきます。2013年3月期の資料によると、連結決算で、売上高は460.1億円(前年度比32.9億円増)、営業利益は54.2億円(同13.7億円増)経常損益は54.2億円(同17.7億円増)、当期純損益は33.2億円(同18.9億円増)となっています。
▼航空旅客数は987万人(前年度比107.2%増)、航空機発着数は9.0万回数(同108.5%増)、国際線貨物取扱量は14.6万トン(同135.9%増)、来場者数は1,164万人(同102.2%)となっています。
▼積極的な誘致活動により国際線便数の増加、景気回復によるビジネス需要の回復、ボーイング787型機の部品輸送の取り込みなどに助けられ、好調な実績を残しています。
▼今後の課題としては、航空需要の回復への対応として、駐機スポットの更なる整備やバス搭乗口の増設・整備が必要としています。また、開港10周年を節目とした新たな空港の賑わい・魅力の創出として、商業施設のリニューアル、免税品店の増床、免税品目の拡大が必要としています。
▼財務基盤の強化として、収益体質の強化、累積損失の解消、有利子負債の圧縮が必要としています。
▼今後は、国際情勢、景気の状況を見据えながら更なる発展を予測することになるのでしょうが、なかなか自己の努力だけでは何ともならないのが、航空業界の難しいところではあります。そういう観点から2014年度の業績予想も手堅く見込んでいるところがトヨタ流の経営マインドといったところでしょうか。
▼さて、次回は、セントレアの航空機たちをご紹介しましょう。今日はこの辺で。チャオ。
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