この型式はレアなものです。【阪神9300系】
▼引き続き、福島界隈のポイントで撮影を続行しました。今度、地下から駆け上がって来たのは、これです。
▼9506Fほかあと2編成しかこの型式はありません。2001年3月の姫路への直通特急の増発への対応として、赤銅車の3000系の代替として2002年にかけて3編成が作られました。製造はこれまでずっと阪神の車両を作ってきた武庫川車両工業です。この9300系はVVVFインバータ制御車であり、セミクロスシート車でもあります。
▼直通特急は、大阪から姫路まで約90キロの中長距離を走ることとなり、競争相手のJRWの新快速や快速車両に運用されている221系や223系のクロスシート車両と比べると、直通特急運行開始時、阪神車両はサービス面で見劣りがしました。しかし、阪神間では通勤ラッシュもあり、阪神ではクロスシートの導入には抵抗がありました。
▼しかし、同じく直通特急を運転している山陽電鉄の5000系では、それほどラッシュ時にも問題は生じていないので、阪神でもクロスシート車両の製造を決断したようです。
▼9300系の先頭のデザインは普通車用の5500系とよく似たフォルムをしていますが、よく見ると、裾部を斜めにカットして、シャープな感じになっています。
▼冷房装置も、集約分散式装置を採用し、2基の装置を屋根に搭載してスッキリした屋根となりました。9000系はステンレス車でしたが、9300系は再び、普通鋼車両となりました。しかし、屋根や床下部、戸袋部などはステンレス製となっています。
▼阪神特有の連結器であった「バンドン式」密着連結器を装着した最後の車両となりましたが、近鉄との相互乗り入れのために、廻り式密着連結器に変更されています。
▼2002年9月に製造会社の武庫川車両工業が解散し、結局この型式は3編成しか製造されず、レアな編成となっています。この後、近鉄との相互乗り入れのため、新たに1000系が新造されることとなりました。阪神線内でよく見るように思えますが、本当は3編成しかないんですね。さて、次回は、加速度がすごいアノ車両です。
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コメント
3編成しかないんですか。
正直言って意外ですね。
投稿: るーと | 2014年8月24日 (日) 21時49分
るーとさん。
そうみたいです。
1000系は沢山見られますが・・・
投稿: kumoha313 | 2014年8月24日 (日) 22時48分