京の都の南にまだこんな路線があるんです。【JR奈良線複線化】
▼JR西日本のアーバンネットワークの範囲内に、まだ、単線区間がいくらか残っています。そのうち、京都から奈良までを結ぶ奈良線が、一部の複線を除いて、大部分が単線区間であることは関西人でもあまり知らないかもしれません。競合路線の近鉄京都線はとうの昔に複線化され、優等列車がバンバン走っていますから、意外といえば、意外です。
▼京都府のホームページを見てみますと、次のような報道発表資料が掲載されています。「JR奈良線の高速化・複線化第二期事業について」と題しての奈良線の改良化事業の概要が示されています。
京都府HP:http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/documents/25061401.pdf
▼その内容を簡単になぞってみますと次のようなこととなります。2001年3月に、京都から藤森、宇治から新田の間約8.2キロの複線化が完成。京都と奈良とを結ぶこの路線の沿線(山城地域)では宅地開発などが進み、人口が増加していることから、奈良線の高速化は課題ではありました。京都府をはじめ地元自治体も奈良線の改良についてJRに対して要望が出されており、今回の第2期事業の実施につながりました。
▼第2期事業では、藤森・宇治間、新田・城陽間、山城多賀・玉水間の約14キロの複線化と、京都駅及び六地蔵駅構内の改良、棚倉駅の一線スルー化などが実施される予定になっています。
▼事業費は369億円、京都府及び地元自治体の補助が138億円となっており、協定を締結後おおむね10年間、2022年開業を目標としています。
▼この事業によって、京都・城陽間全線複線化が完成し、当線区の複線化延長は22.2キロ、複線化率は23.6%から64.0%に飛躍的に改善することとなります。
▼京都駅の奈良線ホームは、南の端にあり、その南側の高架は新幹線の駅舎となっています。ホームは狭く列車が到着するたびに、混雑します。他の在来線との連絡口も一つしかなく不便です。
▼六地蔵駅はカーブがきつく、停車する列車での乗降はかなり危険なものとなっています。そのあたりも含め、改良工事が行われることは、喜ばしいことです。
▼京都駅から走り、宇治を過ぎるとのんびりした田園風景が現れます。木津川を挟んで西側は近鉄京都線が複線で走り、特急も運行される幹線となっています。一方、JR奈良線は木津川の東側、山側を走っています。昔は、木津川は暴れ川といわれ、川の氾濫を避けるため、旧の国鉄路線はかなり山側を走っています。
▼そのおかげで、奈良線沿線では開発が遅れ、近鉄に後塵を拝していました。しかし、最近は木津川東側でも開発が進み、奈良線の乗客も増加傾向にあります。
▼のんびりした里山の風景を満喫できる路線で、ローカル線の雰囲気を漂わせる奈良線ですが、この10年で、すっかり雰囲気も変わっていくのでしょうか。
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コメント
JR奈良線の複線化第1期工事は、
確か城陽市が2002年のワールドカップ開催候補地になっていて、
それへの対応含みもあって実施されたように記憶しています。
結局、残念ながら城陽市は選に漏れましたが(^^;。
たぶんこの第1期工事の時だったと思いますが、
以前1面1線だった京都駅の奈良線ホームは、
2面3線に増強されました。
全線複線化に向けてのネックは、
やはり宇治川と木津川の2つの川でしたが、
2期工事ではやっとその一方の宇治川に
橋が架かることになるようですね(^^)。
投稿: るーと | 2013年6月29日 (土) 23時37分
るーとさん。
そうですか。
そういういきさつがありましたか。
京都駅は何とかしてほしいと
思っていた方も多いと思います。
大きな河川が二つとは、それは
大変ですね。
投稿: kumoha313 | 2013年6月29日 (土) 23時48分