はたして安全性は確保されたのか。【B787】
▼2011年11月の就航以来、数々の機材トラブルに見舞われたボーイング787型機ですが、2013年1月のボストン・ローガン国際空港、日本の高松空港で発生したバッテリー発火事故の発生が決定打となって、2013年1月16日にアメリカ連邦航空局(FAA)は、運航を一時的に停止するよう耐空性改善命令(Airworthiness Directives:AD)を発行しました。
▼これを受け各国当局も同等の措置を受け、運航中の8社50機の機体すべてが運航停止となり、この処置を受け、国土交通省も同月17日、同型機を運航する国内の航空会社に対して、運航停止を命じる耐空性改善通報を出しました。
国土交通省:http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku11_hh_000040.html
▼わが国では、とりわけ全日空が主力機材として、大量に787型機の導入を進めており、国内線、国際線とも、代替機材のやり繰りに追われて、運行数の減便などの影響が生じてきました。
▼各国の航空会社がボーイング社に運行停止の間の補償を求め動きも出る中で、2013年4月19日 FAAはボーイング社が提案した運航再開に向けたシステムの改修を承認しました。
FAA:http://www.faa.gov/news/press_releases/news_story.cfm?newsid=14554
▼さらに、FAAは4月26日に、国家運輸安全委員会(NTSB)の公聴会を経て、ボーイング社に対して、耐空性改善命令を発行しました。
▼国土交通省も、我が国航空会社に対し、4月26日にボーイング787型機の運航再開を認める耐空性改善通報を発行し、これに合わせ、機材及び運航乗務員の安全確保や利用者等に対する適切な情報開示を要請しました。
国土交通省:http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku11_hh_000045.html
▼これにより、ようやく日本の空でも、早くて6月には787型機が運行再開となる見通しとなりました。
▼しかしながら、電池の発火の根本的原因が究明されていない中での運行再開となるため、しっくりいかないものがありますが、電池の取り換えと、必要な改修は行ったというボーイング社の対策を信じるしかないのが実情です。
▼さて、今後運行再開によって安全は確保できるのでしょうか。初夏の運行再開後を見守ることとなるでしょうね。
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コメント
確かにすっきりしませんね。
とりあえず事故に至らないレベルまで
安全マージンを高く取って運行を再開する、
という印象です。
再開後の運行を通じてデータ収集に努め、
根本的な原因究明→対策を行ってくれればいいのですが。
投稿: るーと | 2013年4月27日 (土) 01時26分
るーとさん。
最近のFAAは、自国の主要産業である
航空業界を守るため、
業界寄りの姿勢を示すことが
多々あると批判されており、
今回の早急な対応も、
ライバルのエアバスとの
熾烈な競争にさらされている
ボーイング寄りの対応かもしれません。
投稿: kumoha313 | 2013年4月27日 (土) 11時51分