またひとつ、サヨナラが・・・【タンゴ・エクスプローラー】
▼風邪でふせっている間に、また残念なお知らせが飛び込んできました。北近畿タンゴ鉄道のプレスリリースによりますと、同鉄道のフラグシップ的存在であった「タンゴ・エクスプローラー」がついに、3月15日をもって、定期運行を終了するとのことです。
KTRのHPはこちら:http://ktr-tetsudo.jp/railroad/explorer/index.html
▼最終列車は、20時8分福知山発豊岡行き(21時48分着)特急たんごリレー7号となるとのことです。この「タンゴ・エクスプローラー」は1990年にKTRの特急列車としてデビュー。登場がちょうどバブルの絶頂期であった時代の雰囲気を表しているようで、全車ハイデッカーで、屋根は天窓となって、視界が良くて、観光特急にふさわしいデザインです。ボディは、ライトベージュメタリックのカラーリングで、これは、日本で初の試みでした。
▼定期運行終了の理由は、老朽化とのことですが、デビュー以来約四半世紀にわたって運行されてきたので仕方ないのかもしれません。筆者は3年前に初乗車しましたが、さすがにバリアフリーの時代に車内移動が階段でアップダウンは厳しいものがあります。天窓は視界はいいのですが、棚が作れないので、荷物の置き場所がないのは不便です。車内案内の電光掲示板も、ところどころが欠けて、文字が見えなくなっていました。
▼デビュー当時は、京都発舞鶴線、KTR直通列車として運用。その後、舞鶴線の電化により、1999年に新大阪からの「タンゴ・ディスカバリー」と車両および運行系統を入れ替えて、大阪方面からKTRへの直通列車として運用されました。しかし、2011年3月のダイヤ改正で、新大阪からの直通列車は廃止。その後は、KTR線内のみの特急リレー号として運用されるほか、普通列車への運用も行われていました。
▼今後は定期運行は行わないものの、不定期の運行はあるとのことです。老朽化もありますが、使い勝手の悪さもあり、普通列車700形の改造で観光列車が増えることなどで、余剰感もある「エクスプローラー」はあえなくスクラップされたようですね。
▼KTRの経営状況は依然厳しい状況が続いており、今後も地元の自治体の支援が不可欠な状況に変わりはありません。状況を少しでも好転させるため、水戸岡悦治氏のデザインになる観光列車「あかまつ」「あおまつ」を導入する予定で、この改造列車への期待は大きなものがあります。こうした中での、「エクスプローラー」の定期運用終了については、いずれはと、ささやかれてはいましたが、現実になったことは残念なことです。不定期での運行が残ることが、せめての慰みではあります。
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コメント
電車ならひょっとしたら他社で引き取ってくれたかもしれませんが、
さすがにディーゼルカーだとむずかしそうですね。
きちんと手入れをすればまだまだ使えそうなだけに、
ちょっともったいないような気も…。
投稿: るーと | 2013年3月 7日 (木) 20時29分
るーとさん。
気動車はメンテが電車より
厄介だし、燃費は悪いから
引き取り手は少ないでしょうね。
KTRは財政難からメンテ費用も
最小限しかできないから、
内装までなかなか手は回らないみたいです。
投稿: kumoha313 | 2013年3月 7日 (木) 22時32分