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「スーパーおおぞら」の事故。【JR北海道】

▼残念なニュースが飛び込んできました。5月27日夜に、JR北海道の「スーパーおおぞら14号」(釧路19時08分発、札幌22時58分着)が北海道占冠村の石勝線第1ニニウトンネル(全長685メートル)内で脱線炎上したという事故です。

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▼各報道機関の情報で、一番よくまとまった記事を紹介すると、こうでしょうか。

東京新聞5月29日朝刊によると、

 同社(JR北海道)によると、四両目のエンジンの回転を車輪に伝える推進軸と部品が線路上に散乱していた。脱線したのは五両目の車輪の一部。当時列車は時速百二十キロ(制限速度百二十五キロ)で走行していた。

 部品散乱後、約一キロ走った切り替えポイント付近で脱線。乗員が異常に気付き、非常ブレーキで停車させたが、約八百九十メートル走行していた。脱線後、出火したとみられる。

 また停車後、車掌や客室乗務員らが後方三両の乗客を前方に移動させ、列車をトンネルから出そうとしたが、動かなくなっていた。車掌は乗客に降車を促さないまま、車外に出てトンネルの出口を確認して戻ってきたところ、乗客らは既に各車両のドアを開けて避難を始めていた。

 同社は「乗客を簡単に降ろせないとの指導が行き届いており、手順を追っての対応に時間がかかってしまった。もう少し速い判断ができれば、短時間で避難させられたと反省している」とした。

 トンネル内で火災を起こした特急スーパーおおぞらは、四両目の部品が落下し、五両目が脱線したことが判明。JR北海道や運輸安全委員会は、脱線車両が部品に乗り上げたり、強い衝撃を受けレールから外れたりした可能性もあるとみて、因果関係を調べている。

 JRによると、落ちたのは台車に動力を伝える「推進軸」。運輸安全委によると、ビスなどが散乱していた。

 国土交通省は、車軸などが落下するトラブルは数年に一度ぐらい起きると説明。材質や構造に問題があることもあるが、鉄道関係者は「ねじを締めていなかったなど、保守点検の不備であることが多い」と指摘する。

 JRは事故車両について、三日に一度、摩耗品をチェックする検査を二十五日に行い、走行前の目視点検でも異常は見つからなかったとしているが、どこまでチェックできていたかも焦点になる。

朝日新聞5月29日付けによると、

 JR石勝線(北海道占冠〈しむかっぷ〉村)の特急列車脱線事故で、車体の下部から「推進軸」と呼ばれる部品が脱落していたことが分かった。JR北海道が28日、明らかにした。同社や国の運輸安全委員会は、部品の脱落が脱線を引き起こした可能性が高いとみて調べている。

 一方、道警は車掌や運転士による避難誘導が遅れた結果、多くの負傷者が出た可能性もあるとみて、週明けにも業務上過失傷害の疑いで同社の本社を家宅捜索する方針を固めた。

 脱線したのはディーゼル車の「スーパーおおぞら14号」(6両編成)。脱線後にトンネル内で白煙が出て緊急停止し、煙を吸った39人が病院に運ばれた。

 JR北海道によると、推進軸はエンジンの動力を車輪に伝える。脱落したのは後ろから3両目の推進軸で、長さ約1.1メートル、重さ83キロ。同社が調べたところ、トンネルの約2.2キロ手前の枕木に部品がぶつかったとみられる跡があり、その約700メートル先に推進軸がバラバラの状態で落ちていた。さらに約700メートル先からトンネルにかけて、枕木に脱線した跡が残っていたという。

○この事故のポイントはいくつかあると思います。

【トンネル内での緊急停車はご法度】
走行中に、異音や白煙を感じて緊急停車することは当然といえば当然ですが、国鉄時代に北陸トンネル内で走行中の列車が火災を起こし、トンネル内で停車、多くの死傷者を出した事故以来、車両火災などでトンネル内停車はご法度のはず。とりあえず、トンネル外まで突っ走るのが常識のはず。JR北海道には、この教訓を踏まえたマニュアルはなかったのか疑問です。(脱線して危険であれば仕方ないのですが・・・)

【乗務員の適切な誘導がない】
いつもながらですが、鉄道業界では緊急時の乗務員の対応が不適切なようです。運転指令との連絡にばかり気にとられ、現場の状況把握が遅れています。さらに、的確な判断を行わず、乗客が危険を感じて自らトンネル内に出て、避難を始めています。(トンネル内では安全確認がなされないと乗客を外へ出してはいけないというマニュアルはあるのですが、余りにも杓子定規に考えると危険です。)日頃から、緊急時の乗客誘導の対応がマニュアル化されているのか疑問です。

【推進軸が脱落している原因】
今回の事故では、現場の手前に、枕木やレールに傷跡がついているほか、推進軸やビスなどが脱落していたようです。何らかの理由で、推進軸などの部品が車体から脱落したのでしょうか。時事通信ドットコム(5月28日)によると、「推進軸は昨年12月に取り外し、検査していた。3日に1回の目視検査は今月25日に実施していたが、異常は見当たらなかった」ということですが、点検の際に何か不手際があったかもしれません。よくあるのは、ねじの締め忘れなどです。さらに金属疲労など部品そのものの不具合などがあったのか。このあたりも今後調査が求められます。

○いずれにしても、今回の事故では、死者が出ないで不幸中の幸いではありました。すでに運輸安全委員会の事故調査が始まり、警察当局の捜査も同時に開始されました。事故の徹底究明が求められています。

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コメント

私も当初トンネル内で緊急停止した措置には疑問を覚えました。事故が発生した第一ニニウトンネルがシェルター長を含めても848mとそれほど長くなく、部品脱落時点では120km/hで走行していたことから、脱線した状態でもトンネルを抜けることはぎりぎり可能であったと思います。しかし、停止後再度力行を試みたものの走行不能であったこと、またトンネル内で停止したことから車掌が出口までの経路を確認している間に既に煙が回り、危険を感じた乗客が避難を開始していたという点は、従来の規定に即した行動の限界を感じさせます。

投稿: | 2011年5月29日 (日) 11時58分

トンネル内での緊急停車はやはり気になりますね。一度停車して、再度力行を試みたということですが、脱線していたのでは困難度が高くなっていたでしょうね。トンネル内では安全確認がかなり重要度を増すので、慎重になっていたことはわかりますが、なぜ火災に気が付かなかったのか、疑問点はまだ残りますね。

投稿: kumoha313 | 2011年5月29日 (日) 14時50分

推進軸脱落-脱線-発火という事象発生の流れを考えると、
最初に運転士および車掌は運転室および車掌台で
原因不明のかなり強い物理的衝撃を感じたはずですから、
緊急停止するのは当然の対応と言えます。
その後の対応については、詳細が明らかになるのを
待ちたいと思います。
いずれにしても、停止したトンネルが長大でなかったのは
不幸中の幸いと言えるでしょう。

投稿: るーと | 2011年5月29日 (日) 23時33分

るーとさん。

鉄道人なら、まず北陸線の「きたぐに」の火災を思い浮かべたでしょうね。
しかし、車掌など乗務員は最初火災について気が付かなくて、対応が遅れたようです。
警察もその点を注視して、捜査に入ったようです。停車後の乗客の誘導に不手際がなかったかどうか。
一歩間違えば、大惨事になりかねない事案でしたから。

投稿: kumoha313 | 2011年5月29日 (日) 23時49分

オイゲンです。

「トンネル内での緊急停車は」についてコメントさせていただきます。

スーパーおおぞら14号の運転士がトンネル内で列車を停車させたとなっていますが...。

ブレーキをかけて停車したら、トンネル内に止まってしまったというのが事実なのでは。

どのブレーキを使用したのかはわかりませんが、時速120km/hからブレーキをかけたとしたら、完全に停車するまで相当の距離を走ります。

運転士は完全停止するまでにトンネルに進入したことはわかったでしょうから、その時点でブレーキを一度緩めトンネルを出た後、再度ブレーキをかけ停車させるのか、そのままトンネル内で停車させるのかの判断の必要性があったのかとは思いますが、緊急時にそこまで冷静に行動できるかどうか...。

乗務員の誘導や推進軸の脱落に関しては判断材料が不十分のためコメントは差し控えます。

投稿: オイゲン | 2011年5月30日 (月) 13時13分

オイゲンさん。

異音や白煙などの異常に対して、乗務員が緊急ブレーキなどを作動させたとしたのは事実でしょうね。
緊急時に、トンネル内で停車するかどうかはとっさの判断では予測できなかったのかもしれません。
運の悪い事故だったことは間違いありません。
少なくとも再度の力行を試みたとあります。脱線している状況からして、再度の走行は困難だったのでしょう。

投稿: kumoha313 | 2011年5月30日 (月) 22時59分

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