大震災の影響はJR西日本にも。
▼大震災から13日目。前回、西日本の鉄道は健在と書いたところでしたが、なんと、JR西日本でも、影響が徐々に出てきています。
▼JRWのホームページによると、大震災で車両保守部品を供給する会社が被災し、安定した部品の調達ができないため、運転できない車両が生じる見込みだそうです。詳細は次のとおりです。
1 不足する車両保守部品と該当車両
○直流電動機ブラシ
モーターに直流電動機を使用している車両約2,300両に影響。
(在来線電車約4,700両のうち約50%)
2 今回変更する運転計画
●特急列車は、定期列車の運転本数を確保しつつ、使用する車両を抑制。
●普通列車は、通勤・通学時間帯の列車の運転を確保して、データイムを中心に比較的利用の少ない列車の運転本数の削減。
(1)特急列車
該当する381系、183系車両を使用している「こうのとり」「きのさき」系統、「くろしお」「やくも」などについて、編成両数を短くして運転したり、既に発表している臨時列車の運転を取り止め。見直しは、4月2日(土曜日)から実施。
(2)普通列車
該当する車両を使用している線区について、利用状況を勘案して、データイムを中心に運転本数の見直し。
ア 京阪神エリア
データイムの運転本数を削減し、一部の線区において終日で85%~95%程度の運転本数となります。見直しは、4月11日(月曜日)から実施。なお、4月4日(月曜日)から実施を計画していた、女性専用車の終日化などについては、当面の間実施を見送り。
イ 上記エリア以外(金沢、和歌山、福知山、岡山、広島)
データイムを中心に運転本数を削減し、一部の線区において終日で70%~90%程度の運転本数。見直しは、4月2日(土曜日)から実施。
JR西日本のホームページhttp://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175264_799.html
▼直流電動機ブラシの製造メーカーは、日立化成工業で、素材製造工場が茨城県日立市、最終製造工場が福島県双葉郡浪江町です。浪江町は福島第一原発の避難範囲に入っています。電動機ブラシは電車のモーターを動かす重要な部品なので、非常に影響が大きいです。
▼特急では、「くろしお」「スーパーくろしお」381系が120両(5月下旬から運行が不可)。「こうのとり」「きのさき」「はしだて」183系が40両(4月下旬)。「やくも」381系が60両(5月下旬)。
▼普通列車では、北陸本線・七尾線413系・415系が110両(6月下旬)。大阪環状線・大和路線・おおさか東線・湖西線・嵯峨野線・奈良線・紀勢本線・和歌山線等の103系・105系・113系・117系・205系・221系等1300両(4月下旬)。
▼山陰本線・舞鶴線113系・115系が10両(4月下旬)。山陽本線・宇野線・瀬戸大橋線・赤穂線・伯備線・福塩線等105系・113系・115系・117系・213系が250両(4月下旬)。山陽本線・呉線・可部線105系・115系が420両(5月下旬)。
▼驚くべき車種の多さと両数です。朝の通勤時間帯は100%の運転ですが、デイタイムは50%から100%の運転となります。これでは関東の計画停電の影響と変わらない状況となります。
▼これは、えらいことです。
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コメント
インバーター車になる前は全部直流モーターだったので、
国鉄時代の全車両と、
JRになってからでも近郊型の221や311、811、
特急型でも651、251、253、783あたりまでは
直流モーターを使ってました。
結構な両数になるのもうなずける話です。
投稿: るーと | 2011年3月24日 (木) 19時33分
るーとさん。
同じJRでも東では、更新が進んでインバータ車が多数になっていて影響が少ないみたいですね。
投稿: kumoha313 | 2011年3月24日 (木) 21時13分