通勤型電車の進化論。101系からE233系まで
▼わが国では都市への人口流入によって、大量に生じた労働者の足として鉄道の重要さは増すばかりでした。そこで、大都市圏では大量に乗客を運べる効率的な電車が作られるようになりました。
▼すでに戦前から、東京や大阪では、通勤型電車が作られ運用されていました。しかし、やはり、戦後の高度成長期に入って、これまでの通勤型電車とは違う、技術的にも画期的で近代的な電車が開発されていきました。
▼まずは、101系です。昭和32年に登場した国鉄直流通勤型電車。中空軸平行カルダン駆動方式、電磁直通ブレーキ、コイルばね台車など新性能が満載されていました。ここではカナリア色に塗って、往年の鶴見線の3両編成風にしてあります。
▼次は103系です。101系をもとに、昭和38年から昭和59年まで約3500両近く作られた国鉄通勤型電車の代表的形式です。ここでは、ブタ鼻の2つライト、青色の阪和線風にしてあります。関東ではほとんど絶滅しましたが、関西ではどっこい生き残って、JRW各線で運用されています。しかも、ほとんどが延命のための体質改善がなされています。原型の103系は少なくなっています。
▼続いては、201系です。昭和54年に登場し、国鉄として初めてサイリスタチョッパ制御を採用した省エネ電車でしたが、建造費がバカ高いので国鉄の経営状況をさらに悪化させてしまいました。ここでは、東海道・山陽緩行線風のJRWの体質改善車です。中央線ではオレンジの201系があとしばらくで引退とのことです。
▼昭和60年に登場した205系です。国鉄最後に登場し、その後JR発足後も作られていきました。メンテナンスを簡素化するため、車体はステンレスになり、台車も軽量化されてボルスタレスとなりました。ここでは、東海道・山陽緩行線から移ってきた阪和線風の205系としています。
▼最後は、E233系です。JREでは、平成12年から山手線などでE231系を投入していきましたが、その改良型として平成18年に登場しました。ここでは、中央線仕様の増結4両編成です。
▼カトーの解説によると、「故障に強い車両」、「人に優しい車両」、「情報案内や車両性能の向上」、「車体強度の向上」をコンセプトに開発、機器類や保守装置の二重系化・予備パンタグラフの搭載・電動車比率のアップがなされており、万が一不具合が発生した場合にでも、輸送障害につながらないようにバックアップ可能なシステムとなっているそうです。
▼確かにパンタが2機搭載。シングルパンタグラフです。完成品はやはりいいですね。自分でプラキットを組み立てるのとは違って、精巧で緻密な出来です。
▼戦後の通勤型電車のフォルムを見ていくと、やはり、どんどん進化がなされていることがわかりますね。それと同時に目にみえないところで、技術の進化もすさまじいものがあります。大量生産に適する規格の統一、省エネのための軽量化、メンテナンスの簡素化のためのステンレス化など。
▼しかし、形がシンプルになって、塗装もステンレスによってバリエーションが少なくなって、個性や面白みに欠けるように感じてしまいます。そのあたりは進化の犠牲なのかなぁと思ってしまいます。
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コメント
顔だけでハナシをすれば、
101 … ◎
103低運 … ○
103高運 … △
201 … △
205 … ○
209 … ◎
231 … △
233 … ○
個人的好みでした(^^;。
投稿: るーと | 2010年3月11日 (木) 00時27分
るーとさん。
101系、209系ですか。
それそれは、マニアックですね!
投稿: kumoha313 | 2010年3月11日 (木) 20時48分